1日目:名古屋到着まで |
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その日、東京での仕事を終えてから名古屋に向かったため、出発時点で既に日が傾き始めていた。これから順調にホテルに入れたとしても、普通のデートは難しい時間だ。何より、まず相手を探すところから始めなければいけない。夜中の一発逆転以外に、おいしい思いをするチャンスはないだろう。そう考えて、まずは出会い系サイトにアクセス。
ぼくがいつも使うのは、ワクワクメールとハッピーメール。ほかにもいくつかあるが、ユーザーの多さと業者選別の慣れから、ついついこのふたつに頼りがちだ。
移動しながら、それぞれのピュア掲示板に書き込む。「東京から来て、今夜は名古屋に泊まりです。ちょっと遅くなっちゃうけど、よければ一緒に飲みませんか」などと。
アダルト掲示板に書き込んでも、今すぐ会いたいなんていうのは、まず間違いなく業者だ。ピュア掲示板で、食事だけのつもりでやってきた女の子をうまく部屋に連れ込む、それが一番効率がいい。
そうこうしているうち、無事、名古屋に到着。地下鉄でホテルまで移動する間、今度はTinderを立ち上げた。検索範囲を最小の2㎞以内に設定し、どんどん右にスワイプ。一応、
・顔写真が設定されていない
・明らかに出稼ぎのレディーボーイ
・見た目で全く惹かれない
人だけは避けつつ、一気に上限数まで作業を終えた。
Tinderに課金していれば、事前に現在地をホテル周辺に設定しておくことで、より効率的にマッチを求められたのかもしれないが、ぼくは無料で頑張りたい派で、なおかつTinderは瞬間的な出会いを求めるのに使いたいと考えているため、敢えて現地入りしてからの始動。
さて、いよいよ名古屋随一の繁華街、栄に到着だ。
何はともあれ、ホテルに荷物を置こう。
1日目:チェックインからアポまで |
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今回、栄の地下街からほど近いホテルを選んだのだが、その最大の理由は、暑さ。駅からあまり長い距離を歩くのも辛く、地下街なら直射日光を浴びずに済むと考えての選択だった。
加えて、このホテル、ぼくが最近ときどき行っているORIENTAL LOUNGE EVEの名古屋店から近い。出会い系サイト、マッチングアプリのどちらでも結果が出なければ、ひとりでふらっと遊びに行ってみるつもりで、宿を決めた。
チェックインし、部屋へ。ぼくはタバコを吸わないので禁煙ルーム。ただ、連れ込む女の子が愛煙家だと困るんだよな、というのはある。
喫煙者とのお泊まりで困ること
かつて福岡でよく泊まっていたホテル。当時仲が良かったセフレが来ることになっている日だけ喫煙の部屋を予約していたのだが、行く度にリクエストが変わるので、フロントスタッフが履歴を見ながら、いつも困惑していた。
とは言え、自分が快適に過ごすことを考えれば、やっぱり禁煙なんだな。
とは言え、自分が快適に過ごすことを考えれば、やっぱり禁煙なんだな。
部屋に籠って女の子のリアクションを待っていても仕方がない。既に夕食時を回ってしまった。ここはひとつ腹ごしらえといこう。
栄の地下街を通り、地下鉄駅がある中央部の定食屋兼居酒屋、酒津屋へ。ここのえびカツが安くてうまい。雰囲気は大衆酒場。酒も上等なものじゃない。それでも、名古屋に来たら、まずは名古屋飯を楽しみたいわけで、ここに足が向く。
途中、地下街のタピオカ屋には若い女の子が行列していて、東京と変わらない。以前、名古屋と言えば、やたら派手な見た目で偉そうな顔の、大してかわいくもない女が多い印象だったが、いつの間にか、東京を歩いていても思わず振り返ってしまいそうな美人が増えた。
よっぽど地下街でナンパでもしようかと考えたが、夕食が第一というのと、この地下街が明るすぎて、どうにもナンパのいかがわしさに合わないため、見送り。ざっと見たところ、ナンパ師と思われる男性もおらず、あるいは取り締まりが厳しいのかもしれない。
えびカツ以外にもいくつかつまみ、夕食が終了。夜になっても暑さは引かず、一旦ホテルに退散して休憩にしよう。朝から仕事して、ちょっと疲れた。
部屋に戻り、携帯をいじっていると、ハッピーメールで反応が。
受信メッセージ : はじめまして! よかったら飲みませんか? ちなみに、キャバクラって興味あります?
なんだ、営業メールか。名古屋まで来て、なぜ知らない女のためにキャバクラに遊びに行かなきゃいけない。ここは冷静に、
送信メッセージ : お返事ありがとうございます。キャバクラで働いてる女の子には興味あるけど、キャバクラ自体はなぁ。ごめんなさい。
普通に考えれば、ここで返事が来なくなる。ところが、そうではなかった。
受信メッセージ : 今どこにいるんですか?
送信メッセージ : 栄にいますよ。今日は栄に泊まります。
受信メッセージ : 近いですね! ぜひ一緒に飲みましょう!
送信メッセージ : でも、お仕事でしょ?
受信メッセージ : それは大丈夫なんで! どこ行きます?
お店とは無関係に、飲みに行くことになってしまった。こう誘われると、断れない。もしかしたら、やっぱり同伴してくれとか言われる可能性もあるんじゃないかと思いつつ、そのときはそのとき。
サイトでのやり取りが面倒で、LINEのIDを送ったら、すぐに追加されるあたり、あんまり商売っ気も感じず、会ってみることに決めた。
1日目:集合から解散まで |
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名古屋のことはよくわからないというこちらの事情を考慮し、女の子が選んだのは、ホテルから歩いて2分くらいの距離にあるレストラン。深夜1時まで営業していて、食事でも飲みでも対応可能なお店だった。
その前で待ち合わせとし、待つこと数分。身長170㎝くらいの、痩せ型でスタイルのいい派手な女の子から声をかけられた。
これだよこれ。これがぼくの名古屋の女の子のイメージ。こういう人が生き残っているというところに、妙な懐かしさを覚えてしまった。
早速入店。お酒を注文して、ちょっとおなかがすいているという女の子のために料理もいくつかお願いし、トーク開始。
「キャバクラの営業じゃないの?」と聞いたところ、いろいろ複雑な事情があって、今日は働かないことにしたのでやけ酒だ、という話だった。夜の世界もいろいろあるんだなぁ。
ビールが届き、乾杯。追って料理も到着。女の子はガツガツ食べ始める。ぼくはさっきのお店でわりとおなかいっぱいだったので、たくさん食べてくれるのは嬉しいが、この子、食べ方が美しくない。箸の使い方が乱暴だし、骨付きの肉を口の中に突っ込んで、肉を引きちぎるように食べる。これ、キャバクラのお客さんと同伴しても、お客さんの方が楽しくないんじゃないかな。
ついでに、こっちに興味がないのか、話をろくに聞かず、盛り上げることもせず、どうにも噛み合わない。ぼくとしては、お酒飲んで、あわよくばセックスという下心もあったが、この子を連れ込んだところで、ベッドに行ってからああだこうだとわがまま言われそうだし、サービスもあんまりよくないんじゃないかって気がしてきた。あまり長く一緒にいない方が、ストレスにならない。
向こうがマッコリを何杯かおかわりし、おなかいっぱいになってきたところで、ちょうどラストオーダー。お会計を済ませて解散とした。
こんな人にお金使うのも、という相手ではあったが、大した金額でもなく、そこでまた揉めるのも不愉快だし、さっさと払ってしまって終了。
お店を出たところで、自転車通勤の彼女が駐輪場方向へ歩いていくのを見届けて、終了となった。
どんな人かは会ってみなきゃわからないものだけど、全く好きになれないタイプで、しんどかった。ま、こういうこともあるのが出会い系か。
1日目:深夜の迷い |
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というわけで、ひとり目は完全な不発。ここでEVE(名古屋のお店はADDを名乗っているようだが、何が違うんだろう)に突撃してみるか、しばし迷った。
既に午前1時。まともな女の子は帰宅してしまっているだろう。残っているのは、朝までここでダラダラお金をかけずに過ごしたい子か、連れ出しありだとしても、恐らくは相当遊び慣れているタイプ。名古屋店初訪問の一見さんが戦える相手ではないような気もする。
スマホを取り出し、お店のウェブサイトにアクセス。リアルタイム入店状況をチェックだ。すると、男女ともに約20名。男性がわずかに多いことがわかった。うーん、ここから女性が増えることは、考えにくいだろう。そして、連れ出しを狙っている男がこれだけいて、競争は厳しそう。更に、ぼくはひとりでの訪問だから、女性もひとりでないと、おかしいことになる。そんな都合よくいくか。
相席にならなかったらならなかったで、ひとりで軽く飲んで締めるという考えも頭をよぎったが、明日もチャンスあるしな、と思って、1日目は終了。
特に結果は出なかったが、ごはんはおいしかったし、経験としてはいい夜だった。
2日目編に続く。