続・中華アプリ“Tantan”の実力とは?

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 前回の記事では、中国発のアプリ“Tantan”の概要について触れた。

 マッチングアプリで100人斬り! 中華アプリ“Tantan”の実力とは?


 あれから2週間ほど。使っていくうちに、ここでマッチする女性の傾向がなんとなく掴めてきたので、まとめてみたい。



 パターン1:日本在住の中国人

 これが標準的な、と言うか、男性ユーザーが望んでいる女性であろう。
 中国人の場合、日本に勉強しに来ていたり、あるいは親族を頼ってしばらく滞在していたり、わりと暇そうな人が多い
 先日、名古屋に行ったが、そこでマッチした中国人は、空港の売店で働いているということだった。確かに、中国人観光客に増加に伴い、日本で働く中国人も増えているわけで、異国で寂しい思いをしている女性とマッチする可能性は上がっていると思われる
 ただ、中国人はどうしても中国人同士で固まりがち。敢えてこのアプリを通じて日本人と仲良くしようという意思があまり見られず、返信が遅かったり、会話が盛り上がらないことが大半だった。

 中国以外の東南アジアから来た女性の場合は全く逆で、かなり積極的。メッセージを連投してくるし、すぐ「会ってみたい」と言われる。
 しかし、そううまくはいかないのが、このアプリの難しいところ。“Coffee Meets Bagel”や“happn”のような、自立した女性が日常生活では接点のない男性との出会いを求めるアプリに比べて、“Tantan”は敷居が圧倒的に低い。誰でも使える、出会い系サイト状態だ。
 日本に住んでいると言っても、前述の中国人の例のように、親族の家にお世話になっていて、日本語は全く話せず、お金もないからほとんど遠出しないという人が多い。
 千葉県在住と言えば、千葉市や東京寄りではなく茂原(タイ人コミュニティがあり、東南アジア系が多く集う街)だったり、愛知県だと、名古屋市内ではなく近隣の豊田市(自動車関係で、外国人労働者が多いと聞く)だったり、気軽に会おうと言い辛い場所に住んでいる。そして、ひとりで電車に乗って都会へ出た経験がないため、誘ってもなかなか応じてくれない

 というわけで、今のところ、このアプリ発で実際に会えた人はいない。いつか成功したら、また報告したい。



 パターン2:謎のトレーダー

 東京でマッチしたはずなのに、プロフィールを開く度に所在地が変わる不思議な女性が数名いた。移動しているのは、香港とか上海とか大都市ばかり。マッチしてしばらくは、普通に会話できる。アプリの不具合で、表示が変になっているのかな、と最初は思っていた。
 どうやらそういうことではないらしいと気付いたのは、会話が変な方向に進み出したとき。香港出身というわけでもないのに、この夏に発生した一連のデモを受け、突然「香港があんなことになって悲しい」と言い出したのだ。香港に親戚でもいるのかと思って訪ねてみると、「香港市場で投資していた額のかなりを、あの事件が原因の暴落で失った」という答えだった。
 よく考えてみれば、プロフィールの職業欄には「金融」と書いてある数名、全く同じパターンで話が展開していたので、恐らく、怪しい金融詐欺の勧誘グループがいて、東京を含めた中国周辺でマッチした男相手に勧誘をしているのだろう。
 これはいかん、と思ってすぐに撤退。会話せずに放置していると、しばらく経った後、アカウントが消えた。通報によるものなのか、自主的に消したのかは不明。

 なお、これの派生形で、香港市場の話は軽く触れる程度で終わり、「今はオンラインカジノに挑戦しているんだ」と言って登録を促す女性ユーザーもいた。中国人相手に、クレジットカード情報を送って、オンラインでギャンブルをするなんて、どの角度から切っても怪しさしかない。さすがにこれに自ら巻き込まれに行く勇気はなく、そっとフェードアウトしたのだった。



 パターン3:なぜかマッチする遠方の人

 パターン2のように、実際にいる場所と関係なく検索範囲を変更できるのは、課金しているからだと思われる。自分の次の訪問先を設定して、事前にアポが確定すれば、それはそれで賢い使い方だし、この機能を否定するものではないが、ただ、「日本に来る予定がないけど、日本人と知り合いたいから、現在地を東京に設定している」中国人の女子とマッチしても、会えないのだからどうしようもない

 北はハルピンから、南は海口まで、中国のあらゆる場所に住んでいる女子と、けっこうな頻度でマッチする。そして、「遠すぎるわ!」と思って何の反応もしていないと、意外と相手から話しかけられる。これ、最初は目的が分からず不思議だった。が、どうやら、日本に興味があるとか、日本人と話してみたいということで、わざわざ課金して東京周辺で検索しているらしい
 残念ながら、ぼくは中国に行った経験が一度しかなく、さほど興味も持っていないため、会話が続かないのだが、いつか彼女たちが日本に来る日までメッセージのやり取りを続けられるとしたら、おいしい結果もあるかもしれない

 このパターンの女性に共通しているのは、英語を喋れること。案外、パターン1の、よくわかんないけど日本に来ちゃったタイプの方が、コミュニケーションに苦労する。
 わざわざ遠く離れた土地の外国人と話したいなんて考える人なのだから、語学には多少の自信もあるのだろう。ただアプリで会話を楽しむだけなら、お勧めの相手ではある。

 なお、中国国内ではLINEが接続不能であるため、メッセージアプリに移行する場合はWeChat一択となる点に注意されたい。



 パターン4:日本人

 ごく稀に、日本人の女性とマッチするまさか日本女性のユーザーがいるとは思わなかったので、びっくりした。
 たとえば“Tinder”であれば、日本人も白人も多いし、使っていて楽しいだろうしかし、特に中国に関心があるというわけでもなさそうな雰囲気の日本人の女子が、敢えて“Tantan”を使うのはなぜなのか。実は中国人に興味があるのか。ここでマッチしたら、実際に会うことができるのか。また、セックスに持ち込めるのか。彼女たちの心が気になる。
 まだ、そこまで踏み込んだ会話をできるほど仲良くなった女性がいないので、これからの研究課題と考えている。



 以上、残念ながら結果を出すことはできていないが、なんとなく、女性ユーザーの傾向が掴めてきたということで、中間報告した。
 次こそは、何かしらの面白い報告ができるよう、引き続き努力していきたい。

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